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Channel: 日々是好日
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「眠り椅子」

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最近ブログの更新をてんで怠っている。カダフィ大佐が殺害され、ユーロ圏ではデモに揺れるギリシャを破綻から救うためにの対策に躍起になっているし、タイでは国の7、8割が冠水し、首都バンコックでもこれから冠水の度合いが高まったいくとか、世界には大きなニュースが行き交っている。もちろん国内でも多岐多様のニュースが報じられる。ところがこれらがすぐさまわが身に引っかかってくるわけでもなし、「それがどうした」割り切ってしまえばそれまでで、それ以上今のわが身は平穏そのものである。そして自分では無気力になったものだなと反省するが、何故そうなのかは私なりに分かっているつもりでそれは「眠り椅子」のせいなのである。

家庭でも椅子生活に長年親しんできたこともあって、私には椅子に対する注文がかなり厳しい。要点はただ一つ、そこで快適に過ごせることである。そこで新居を構えるに当たって、家具展示展に出向いていろいろと吟味することにした。目に飛び込んできたのがソファー、安楽椅子、スツールのセットで、すべての作りが大らかで安楽椅子に坐ると身体を優しく抱擁してくれる。ソファーも幅が2メートルを超えるのでゆっくりと横たわることが出来る。総皮製ということで皮がたっぷりと使われており、それを止める金鋲の並びが美しい。すっかり気に入ってしまい、手に入れたくなった。問題は価格で私にとっては破格なので場所を離れずにしばし考え込んでいた。それを動かしたのが「ここの会社の製品がホワイトハウスに沢山収められています」という店員の一言で、それに引っかかってしまったのである。


母が存命の頃、階段を這うように上がって来てソファーに横たわると間もなくすやすやと寝息が聞こえてきたものである。孫達がやって来るとその上で飛んだり跳ねたりしていたが、それもやがて安らか眠りに陥った。何かこのソファーには眠りに引き込むような魔力でもあるのだろうか。今その虜になったのがこの私である。ソファーに腰をかけテレビを見たり本を読んだり、新聞を読んでいるつもりがいつの間にか横たわって寝入っているのである。それもかなり深い眠りに。どうすればこの呪縛から解き放されるのか、ある意味では今の私の最大の課題なのである。

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